お客様、そしてウェディングの仕事に対する想い。
ナビゲーター・野村 和代をもっと知っていただくためのMy Story。

ーーウェディング プランナーを志したきっかけは?

自分探しの旅の終着点がウェディング
興味ある要素がつまった、のめり込める仕事

最初は「ウェディングの仕事をしよう」とは思っていなかったんです。私はやってみたいと思うことがいろいろあって、カメラマン、パティシエ、ヘアメイク、デザイナーなど、挙げるといろいろ出てきて。だから進学を考えたときには、衣食住が総合的に学べる短大に行くことにしました。パティシエになりたい!という気持ちが強くなり、本気で目指すつもりでいたのですが、技術の習得には時間もかかるし、大成するのは難しい世界。できれば早く戦力になって働きたいと思っていて、専門にしないのならお菓子はおばあちゃんになってもできるのでは? とアドバイスをもらうことがあり、それなら別の仕事を見つけてみようと思いました。

それからあれこれ探して、たどり着いたのがウェディング プランナーだったんです。自分が興味を持っていることが要素としてたくさん盛り込まれているウェディング。これならのめり込めるかもしれないと。言ってみれば、自分探しをしているうちにプランナーという仕事にたどり着いた感じです。

フリーになるまでずっと所属していたテイクアンドギヴ・ニーズは、『ゼクシィ』で見て知りました。パラパラ雑誌をめくって、いいなと思った会場をチェックしてみたら、全てT&Gの会場だったんです。トッププランナーとして活躍している先輩のお客様のエピソードや、サプライズの考え方がとても素敵で、ここで働きたいと思いアルバイトに応募。短大卒業と同時に社員になりました。

会社時代には、直営のゲストハウスも担当しましたが、長く担当したのは提携レストランでのプロデュースを行う部門。個性豊かなレストランをいろいろと経験できました。外部として関わったので、フリーとしての仕事にも大いに役に立っています。会社のNY研修にも参加することができ、その時にはビジュアルをつくり込む楽しさを学んで、ワクワクしたものです。私たちからおふたりに、そしておふたりからゲストに伝えるための強力なツールになるのがビジュアルだと感じました。

ーーフリーランスになった理由やきっかけは?

伝えたい想いをより強く表現するために
デザインのスキルと知識や経験を生かしたい

会社時代はデザインにこだわるお客様が多く、会社自体も流行のデザインを得意としていましたが、実現にはどうしてもお金がかかります。それならとお客様にDIYをおすすめし、私も好きなことなので希望するお客様がいればアイディア出しから作業まで積極的にお手伝いもしていましたが、自分の業務量に限界が来てしまって……。こうしたほうがいい!と思っても、お客様に手作りを強要することもできません。フリーになればもっとバランスよく、一緒に手作りするようなこともできると考えてフリーになりました。

独立してから身につけたのがグラフィックデザインのスキル。会社時代に、空間デザインの主軸がフローリストに移っていくのを感じたものの、デザインの知識がないために歯がゆく感じていました。退職して今から身につけられることはないかと思い、デザインを学びました。
プロデュースと並行して「HARRU」というブランドを立ち上げ、ウェディングのペーパーアイテムのデザインをしています。その分野を専門にしているところがまだまだ少ない、そしてデザインというと金額も張るイメージがありますよね。せっかくのウェディングで自分たちだけのデザインを楽しんでほしいので、お客様の手に届く金額でフルオーダーができるようにしています。

ウェディング プランナーだからこそできるのは、テーマやコンセプトとデザインをセットで提供できること。オーダーをいただいても、全てのお客様がテーマやコンセプトを決めているわけではありません。デザインする上では必須ですし、招待状を作るタイミングで決めてあげられればその後の準備にも役に立ちますから。

そして、自分ならお客様のことをもっと深く掘り下げて、最適なところに導いてあげられるのではないかと。プランナーとしての知識や経験で、マナーやしきたりに準じた内容や、準備におけるスケジューリングなどもアドバイスできます。また、お客様の予算に合わせて形にする工夫や努力も惜しまずに、今までやってきたつもりです。

グラフィックデザインの理論を学んだことで、デザインの持つパワーを一層感じました。デザインは人に何かを伝えるためにあり、実に強い力を持っている。ウェディングでももっとデザインの力を利用すれば、おふたりの想いをよりよい形で伝えられると考えています。

ーー仕事やプロデュースにおける信念は?

おふたりの理想を妥協せずに叶えたい
想いがあってこそのデザインであることを忘れずに

得意なことは、お客様のことを突っ込んで伺うこと。しつこいくらいに「なんで?どうして?」と理由をお聞きします。答えが出るまでじっくり待って、できるだけお客様の言葉で答えていただくようにしています。例えば、服装のことなら、何でこの靴なんですか? 何でこのブランドなんですか?など、ちょっとしたこと、どうでもよさそうなことでもとにかく聞くんです。それから、最初のヒアリングでおふたりの思い出の曲、映画などを伺って、必ず聞いたり見たりするようにしています。服装もじっくり拝見しますね。

一番大事だと思うのは、どうして結婚式をしたいのか?ということ。それがおふたりの結婚式の「本質」の部分になります。この本質が全てのベースになり、どんな結婚式にしたいか、大切にしたいことは何かが見えてくると思っています。

ご提案する際には、その場の話だけで提案をしないようにすることと、敢えて予算を考えずに提案をつくるようにしています。内容によっては予算オーバーの提案になりますが、予算内にするとどうしても妥協した内容になってしまいます。理想の形を追求したものをおふたりにお見せして、よく考えて選んでもらいたいと思うからです。検討の結果、提案のままできないことも多いですが、その場合も一緒に手作りしたり、リーズナブルなものを探したり、理想に近い形を叶える努力をします。世界観を崩さないように、おふたりにおまかせせず、なるべく私がリードしていくようにしています。選択肢を減らさない、それをモットーにやっています。

ウェディングで大切なのは見た目ではなく、ふたりの考えや伝えたいことが反映されているかどうか。デザインやビジュアルの力を知っているからこそ、想いがなければいけないと考えています。お客様によくお伝えするのは、自分たちが楽しいことももちろん大切ですが、おふたりの「ひとりよがり」にならないでほしい、ということです。私が考える結婚式の本質とは、周囲のみんなが集まってくれるのを直接見たり感じたりできる、一生に一度の機会だということ。感謝を直接伝えることや、久しぶりに再会した懐かしい想い……ひょっとしたら会えるのはこれが最後かもしれない、そんなことを頭に置いて、ゲストに向き合うべきだと思うんです。
実は結婚式は、ごめんねという想いを素直に伝えられる場にもなります。反抗してばかりだった親や疎遠になってしまっていた友人など、結婚式という場だからこそ招待でき、相手も来てくれるかもしれない。そんな集まりだからこそ、ゲストのことだけを思って準備することが大事ですよね。

私は「100%になれないプランナー」でいたいんです。全力でお客様に向き合って、ご満足いただいたとしても、自分はそれで満足しない。いつも、ウェディングの後は「ひとり反省会」です。やりきった、最高のものができたと思ってしまったらそこで成長が止まってしまうでしょう。だからそう思わずにいたい。もっと上を目指して、新しいことに挑戦し続けたいと思います。また、年を重ねても柔軟でいたいです。何でもいいね!と思える人であり続けたいです。