席次表の肩書と敬称

席次表は、ゲストが自分の座席を確認し、他のゲストと新郎新婦の関係がわかるように配布するもの。
席次表に記載する肩書は、ゲストの皆さまとおふたりとの関係を伝える情報なので、正確に伝わることが大切です。
関係によって「敬称」の有無も変わります。

席次表を作成する際にぶつかる壁の1つがこの「肩書」です。
知識とルールを把握して、正しく席次表に記載しましょう。

仕事関係

肩書(会社での役職)をお持ちの方には正式な会社名と肩書を、ない方には会社名や部署名、関係性を記載します。
会社名を表に出したくないという場合は「会社上司」「会社同僚」と関係性のみでOKです。

関係性を記載する際には、ゲストよりもおふたりの方が上位だと感じられるような書き方を避けるのが基本的なマナーです。
「後輩」と書くよりも「同僚」と使う方が望ましいとされます。

ちなみに、同僚とはいわゆる「同期」のことではありません、先輩も後輩も、もちろん同期も含めた呼び方です。
「先輩」はそのままに、同期から後輩を「同僚」としたケースもありました。
両家で書き方を統一することが大切ですから、おふたりでどのように表現するかを話し合って決めましょう。

関係性が1つではない方は、2種類を併記してもOKです。

実際にあった例を挙げてみます。
新婦の職場の先輩で、部活では後輩という少々複雑な関係の方はこうしました。
新婦会社先輩
○○(部活のチーム名)チームメイト
■■ ■■様

友人・知人

友人は「新郎友人」のように関係性を記載するのが基本ですが、「新郎高校友人」のようにいつの友人かを書き添えることもできます。

恩師や知人の方は、肩書または関係性を記載します。
在籍が当時と異なるのであれば、現在の肩書きを書き添えるのがいいでしょう。

例えば、新郎の恩師で現在は別の大学の教授という方の場合。

新郎恩師
○○大学○学部教授
■■ ■■様

※教職に就く方の場合は「先生」を敬称とすることもできます。

親族関係

親族は続柄を記載します。
親族で間違いやすいのは、読みは同じでも、関係によって文字を使い分ける方たちです。

伯父・伯母(親の兄や姉)
叔父・叔母(親の弟や妹)

従兄・従姉(自分より年上のいとこ)
従弟・従妹(自分より年下のいとこ)

ご夫婦の場合は、血縁関係がある方を基準にして夫婦で同じ字を使います。
父の兄は「伯父」、その妻は年が父より下でも「伯母」です。
いわゆる「義理」の関係でも、きょうだいの結婚相手以外には「義」という文字はつかないので注意しましょう。

敬称

席次表はゲスト全員が見るものなので、身内には敬称をつけません。
新郎新婦の両親、未婚のきょうだい、既婚でも同じ姓を名乗るきょうだいがこれにあたります。
既婚のきょうだいでも別の姓になっている場合(姉妹、婿入りした兄弟など)は他家の人とみなすので敬称をつけます。

同じ姓のきょうだいでも、既婚の場合は敬称をつけたいというご希望も増えています。
また、両親についてもゲストとして考えたいので、敬称をつけたいというご希望も一部見受けられます。
本来は敬称は身内にはつけないのが正しいので、年代によっては疑問に思う方も出てくるかもしれないので、ゲストが見る席次表には敬称は一般的なルールに則っておくのがおすすめです。

席札はご本人だけが見るものなので敬称を入れてもOK。
印刷会社でも希望を伝えればそのように作ってくれます。

子どもの肩書

ゲストのお子さんの肩書は、
■■ ■■様ご令息
■■ ■■様ご令嬢

などと書くのが正式ですが、かなり堅苦しい印象になってしまうので、最近はあまり使わなくなりました。
■■ ■■様お子様
と書くのが一般化しています。

更に言えば、敬称を「くん」「ちゃん」にすればお子さんだと判断できますし、ほとんどが親御さんの隣や挟まれた席に座るので誰のお子さんかもわかるということになります。
難しいなと思う場合は、お子さんには特に肩書を記載しなくても問題はないとも考えられます。
ベストな方法はケースバイケースで変わりますが、結婚式のフォーマルさの度合いやお子さんの親御さんとの関係性から考えて、最適な書き方を考えてみてください。

席次表の肩書の大切なポイント

両家で書き方を統一する

席次表を眺めた際に、書き方がバラバラだとわかりにくく、印象もよろしくありません。
結婚式ですから、足並みがそろっていることはとても大切ですよね。
会社名を明記するのか、高校、大学など友人の関係性を詳しく記載するのかなど、どのように表現するかを話し合い、両家で統一するようにしましょう。敬称についても同様です。

名前や肩書を間違わない

ゲストは席次表を見て、他にどういった方が列席しているのかを知ることになります。
名前はもちろん、肩書も間違ってしまったら大変です。
同じ漢字でも異体字がたくさん存在するものもありますし、変換ミスなどで名前の漢字の間違いはよく起こりがちです。
名前はその方のお顔と同じ。
ゲストに失礼のないように事前にしっかり確認しておきましょう。

ゲストが知りたい「どういった関係の方が列席しているのか」を知るには、席次表はとても便利なツール。
少人数の場合など、配布用の席次表を作成しないケースも増えていますが、かつては新郎側と新婦側のゲストが交流を持つことが披露宴の1つの意義だったので、席次表もそれに一役買うアイテムだったんです。
今も変わらず、席次表を必要としているのは両家の親御さんです。
ご両親は当日必ず各テーブルにご挨拶に回られるので、そのときにおふたりとの関係を席次表で把握して、会話の話題にすることもあるはずだからです。
配布用の席次表を作らない場合も、親御さんには席次と肩書や関係性がわかるものをお渡ししておきましょう。

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