ウェディングで”つなぎの時間”を大切にする理由

こんにちは、ウェディング ナビゲーターの清水です。

最近、バレエのクラスに行き始めました。
ダンスにおいて、多くのジャンルで共通して基礎練習として行っているのはバレエの基礎練習です。
私はバレエそのものをきちんと習ったことはないけれど、背筋が伸びるような感覚になれるのが好きで、社会人になってから少しだけ大人バレエに通ったことも。
身体がなまりまくっているので、「踊る」と呼べるようなことはできないけれど、どうせ運動するなら踊っている気分になれることをと思いまして。
先生も教え上手な方で、とても楽しいです。

バレエのクラスには、

  • 子供のころから習っていたと思われる人
  • 大人になってから習っであろう人

のどちらもいらっしゃいます。
どちらなのかは、結構すぐに見分けが付くんです。
自分がその両者を見分けているポイントはなんだろう?と改めて考えてみたのですが、
子供のころに習っていた人は、メインの動きだけでなく歩きや走りのような前後の動きも手先足先まで美しいから、という結論になりました。

例えばジャンプをする場合、
助走 → 準備 → ジャンプ[メインの動き]→ 着地 →(次の動き)
と動きを細分化することができるのですが、ジャンプをするには前後に必要な動きが3つもあるということになります。
メインの動きがどんなに美しくても、他の3つが美しくなかったら、全体の印象はレベルダウンしてしまいますよね。
いわば「つなぎ」というような動きですが、実はとても大切なのです。

この時期よく見ているフィギュアスケートでも同じようなところに目が行きます。
上位選手は総じて、普通に滑っている個所、特に「つなぎ」の動きが美しく、隙がない。
前後の動きの美しさも完成度の採点の要素になっているそうですから、とても大事なことだというのがわかります。

学生ダンスではありましたが、私たちのやってきたダンスでは、入部してまず練習したのは歩くこと。
足先まできれいに!頭が上下しないように!といった注意をしながら歩くこと、それだけを毎日何往復も(笑)
子供のバレエでも、最初は遊びのように歩いたりスキップしたりすることからスタートするようですが、要はそれと同じことです。
歩いたり走ったりは無意識でもキレイに動ける状態を作っておけば、メインの動きにより集中できます。

大人バレエのクラスの場合は、そういったレクチャーはなく、いきなりバレエらしいことをします。
歩き方を教わることって、基本的にない、多くが自然と身についたままの動きで歩いていますよね。
矯正される機会がないから、自分で気づいて修正しない限り、大人になってから始めた人だとわかるのです。

さて、結婚式においても「つなぎ」の時間があります。
演出的にメインと捉えられるのは、入場やケーキカットなどのポイントとなる箇所でしょうが、実はゲストはそれ以外のつなぎの箇所をよく見ているんです。
メインの演出は失敗しないのが当たり前、準備も綿密に行って隙がなく仕上げるのは当然ですが、
「つなぎ」の箇所をどうスムーズで、心地よいものにするかが、ゲストの満足度の中心であったりすると思うのです。

それがわかるのは結婚式でのクレームの中身。
新郎新婦はポイント演出、ゲストはそれ以外のことでクレームになることが多いように思います。
おもてなしを手厚くと考えるなら、ゲストが気になるところに意識を向ける必要があります。
隙があってはいけないわけです。

だから私の場合、進行を練る時に大切にしているのは「つなぎをどう演出するか」です。
受付の誘導や流れ、ポイント演出の前後の時間をどうするかなど、新郎新婦が準備した演出がよりよい形になるように、また、ゲストがより居心地よく過ごせるように、一番時間をかけているかもしれません。
メインの演出をより美しく見せるためにも、「つなぎ」の美しさは大事なんです。
スタッフ間でじっくり話し合ったり、細かく指示をしたりするのもそういう箇所です。

基礎は全体を支えるもの。
久しぶりの踊りの場で気づいた大切な「つなぎ」。
私のウェディングプロデュースのこだわりとして守っていきたいと思います。

開演前

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