新しい生活様式でアフターコロナの結婚式はこう変わる

新型コロナウィルスの流行は生活そのものの在り方に大きな変化をもたらしています。アフターコロナの結婚式は具体的にどんなものになるのか、政府の専門家会議から出された「新しい生活様式」の実践例に基づいて具体的に考えてみました。より安全に、そして結婚式の本質を大切にした結婚式はできるのでしょうか。

ソーシャルディスタンスのためにこう変わる

テーブルの着席人数は現在の半分に

「新しい生活様式」の指針では……
人との間隔はできるだけ2m(最低1m)空ける

ゲスト同士の距離をこれだけ取るなら、挙式はもちろんですが、披露宴でもテーブルの着席人数を減らすことが必要になります。
一般的なサービス マニュアルにおける1名分の占有幅の基準は60㎝。直径210㎝のテーブルであれば通常の着席人数は最大10名。これを両サイドを1m空けようとすると、1名分の幅はほぼ倍で取る必要があるわけです。つまり、1テーブルに着席できる人数は現在の半分になります。
おしゃべりもするから2m空けようとすれば、更に減る、ということですが、現在の披露宴会場のキャパもそれだけ減るので、同じ会場で収容できる人数が半減~3分の1になる。会場費が値上げされる可能性も出てきます。

シールドを兼ねた背の高いテーブル装花

「新しい生活様式」の指針では……
会話をする際は、可能な限り真正面を避ける

これまでは対面で座るゲスト同士の会話のしやすさを考えて背の高いテーブル装花を避ける人も多かったのですが、逆にこれがシールド代わりになるので人気が高まるかも。テーブルの着席人数が減ることで、より大きな面積を装飾に使えるようになって、今までよりも大きな器が置ける、つまり、大ぶりな装飾もしやすくなるんです。

席と席の間に置くアクリルの衝立を活用する会場も出てきていますが、装飾に組み込めれば異物感は減らせます。会場にゆとりが出るのを生かして、テーブルの上ではなくそういった空間自体に装飾することも可能に。ダイナミックな空間は作りやすくなりますね。

ブッフェや大皿料理に代わる軽いコース料理が登場

「新しい生活様式」の指針では……
大皿は避けて料理は個々に

ブッフェや大皿料理はリスクが高い、というのは新型コロナの発生当初から言われていました。
取り皿やシルバーを置き場から各自で取ったり、同じトングを使い回したりすることで、ウィルス感染の可能性が高いからです。

ここ数年で広がりつつあった会費制のパーティはほとんどがブッフェ形式。リーズナブルに結婚式をしたいカップルに人気でした。
金額を変えずにブッフェのプランをコース料理に振り替えるのは難しいでしょうから、内容も見直されるはず。
フルサービスで提供される料理のほうがリスクは低いとされているので、ブッフェに代わるコース料理、品数を減らしたライトなコースのプランが増えると予想します。

食事をすることで唾液が増えるなどリスクが上がるという見解もあるようなので、挙式の後に軽いパーティをするというスタイルでもいいのではないでしょうか。現在の披露宴の平均は2時間半ですが、お茶会的なパーティや、お弁当のような料理などにすることで1時間~1時間半程度に短縮してしまうのです。金額も抑えられて、ゲストも気軽に参加できるスタイルになると思います。

お弁当スタイルを取り入れたお客様のウェディングはReal Weddingでご紹介しています。

「ふれ合い」を減らすより飲食ナシでゲストとの距離の近く

「新しい生活様式」の指針では……
料理に集中、おしゃべりは控えめに

これは披露宴の概念を根本から覆す提言、実に困ります。
昨今のウェディングでは、新郎新婦とゲストとの「ふれ合い」が重要視されています。おしゃべりを減らすとなれば、今好まれている多くの演出ができなくなり、披露宴がガラッと変わることになるでしょう。披露宴の定番だったテーブルラウンドもなくなっていくかもしれません。

既にサービスを正式に開始した企業も出てきているリモート型のウェディング。ゲストが全員在宅の事例から、出席できない一部のゲストに中継をつなぐ事例まで、スタイルはいろいろ考えられます。ふれ合いは叶いませんが、急速に一般化していくと思われます。

リモートのようなふれ合いの叶わないスタイルがアリになるなら、披露宴の時間を短くしたり、飲食のない集まりだけにしたりするのもひとつの方法だと思います。リスクの上がる食事を極力カットすれば、マスクをしたままでよくなって、人と人との距離も短くできます。

ご祝儀や引出物の受け渡しをなくす

受付は「接触」が多く行われる場所。ご祝儀や会費、席次表の受け渡しなど、これをなくせばかなりの接触機会が減らせます。会費制の場合はキャッシュレスにするような方法も登場していますし、昔ながらの事前にご祝儀を贈る形に戻せば受付は不要になるでしょう。
既に広まりつつある引出物の宅配サービスも利用が増えるはず。ゲストの荷物も減らせて一石二鳥です。

受付をなくしたお客様のウェディングはReal Weddingでご紹介しています。

これを機に、カップルの自己負担で可能な結婚式が当たり前になってもいいのではないかと思います。ご祝儀や会費を辞退し、返礼である引出物もなくす。ゲストに負担を掛けたくないなら、背伸びをしない、身の丈に合った結婚式にすればいいのです。
招待を受けたゲストは、お金でも品物でも、やはりその人の身の丈に合った形で、思い思いにお祝いを送ればいい。海外で一般的な「ウェディングレジストリ※」も日本で定着するかもしれません。

※ウェディングレジストリ
新郎新婦が結婚祝いにほしいものをリスト化して、ゲストはその中から予算に合ったものを選び贈るシステム。百貨店などではオンラインで新郎新婦が商品リストを作成し、ゲストがその中から選択して購入・配送できるシステムを持っているところも多い。

移動によるリスクを避けるための提案

「新しい生活様式」の指針では……
感染が流行している地域からの移動、感染が流行している地域への移動は控える

地域をまたぐ移動のリスク、特に都市圏からの移動は避けるべきと言われますし、都市圏の結婚式に他県から参列することもリスクになるので、出席を迷う人も一層増えるでしょう。
ここでは安心して出席してもらうための、結婚式の新しい形をいくつか提案します。

小さなパーティを何度かに分けて 新郎新婦が各地に出向く結婚式

いっぺんに広範囲から招待して行うのではなく、新郎新婦が各地に移動して複数の小さな披露宴を開催するような形はどうでしょう。新郎側の親族、新婦側の親族はそれぞれのふるさとで、自身の住むエリアでは適宜時間をずらしながら開催するのです。
大勢が移動することがなくなる分、交通費や宿泊費も軽減できるので、その分をおもてなしに回せばゲストの満足度もアップできるでしょう。

メインの会場とサテライト会場をリモートでつなぐ結婚式

前述の映像配信やリモートが一般化すれば、ご年配者などが配信で参加をするのも当たり前になります。会場がリモートの設備を整えて提供するようになるのもそう遠い話ではないでしょう。
列席できないゲストが自宅で参加するというのも手軽でいいのですが、おもてなしという点でモヤモヤするカップルも多いはず。住んでいる地域で場所を設けて、そこでリモート参加してもらってはどうでしょう。小さな規模であればそこまで神経質にならずに食事を楽しめるでしょうし、おじいちゃま、おばあちゃまでも負担なく参加できます。

できる打ち合わせは全てリモートで

打ち合わせのリモート化はこのコロナ禍を受けて大急ぎで準備・開始されています。対面で行わないといけないのはドレス選びとヘアメイクのリハーサルくらい。わざわざ会場に足を運ぶ必要がない便利さに、今後もリモート打ち合わせを選択肢に含めようと考えている会場も多いようです。お客様にとっても交通費がかからず、スケジューリングもしやすくなるなど、お互いにメリットが多いのです。

打ち合わせでの外出だって感染のリスクが伴います。最近は台風などの天災も多く、打ち合わせの日がそういうタイミングになってしまうとリスケジュールしたくなりますよね。リモート打ち合わせだったら外出せずに打合せできます。
住んでいる場所に関係なく打ち合わせができる、その便利さに気づけたのはコロナ禍があったから。私もこれからは積極的に活用していきたいと思っています。

結婚式を安全に実施するためにはゲストの協力も不可欠

安全に結婚式を実践するにはゲストの協力が不可欠です。会場に手洗いや消毒液、検温などを求められたらきちんと応じてもらわなければいけません。出席者の連絡先を把握するようにと書かれており、情報提供への同意も求められるでしょう。

「新しい生活様式」の指針では……
感染防止の3つの基本:①身体的距離の確保 ②マスクの着用 ③手洗い(手指消毒)
発症したときのため、誰とどこで会ったかをメモにする
発熱や風邪の症状がある場合は参加しない

対策のために会場のサービスが今より不便になる可能性も。
例えばゲスト用の更衣室は不特定多数が自由に使えるようになっているので、消毒のなどの管理が難しい。場合によっては廃止されることもあるでしょう。
また、検温して熱がある人は会場に入れない対応をせざるを得ません。だからといってその場で帰らせるわけにはいかないので、別室を設けて中継を見ながら食事してもらうような形になると予想します。こういった対応に関するアナウンスはカップルからすることになり、それに同意できるゲストが出席するようになっていくでしょう。

新型コロナウィルスにばかり目が行きがちですが、「新しい生活様式」インフルエンザやノロウィルスなどの感染症防止にも役立つはず。人に移すかもしれない、という感覚をみんなが持ち、体調が悪ければ欠席する。これを常識にしなければいけませんね。

これまで以上に「契約」の意識が大切に

現在、キャンセルや延期の希望に対して各会場が取っている対応は暫定的なもので、会場にとって負担が大きいのが実情です。コロナ禍がまた起こることを考えて対策を盛り込んだ上での価格や規約の見直しに動いています。ビジネスとして利益が取れなければ本末転倒だからです。
利用するカップルも「契約」という観点で価格や規約の確認をしっかり行ってから申し込みをすることが一層大切になるでしょう。再びの感染拡大のあおりを受けて予約していた会場や企業が倒産しないとも限りません。あまり考えたくはないでしょうが、堅実な経営をしている会場や企業を見極め、影響の少ない準備の方法を選び取っていくことも大切です。
フリーランスの立場としては、真っ先に会場を決める必要が本当にあるのか、現在の主流の結婚式準備の流れも見直していいのではないかと思います。最低3ヶ月前に決まれば十分準備ができることをもっと知ってほしいです。先にコラムをアップしていますのでぜひ読んでみてください。

実はできる! 会場をギリギリまで決めないウェディング準備

結婚式という人生の大切な節目は、家族の喜びでもあり日本の文化でもあります。私もひとりのウェディング プランナーとして、今のやり方にとらわれず、よりよい結婚式の形をを探していければと思っています。

参考資料:厚生労働省
新型コロナウイルス 感染症対策専門家会議
新型コロナウイルス 感染症対策の状況分析・提言」(2020年5月4日版)

参考コラム:
アフターコロナの結婚式場 見学チェックポイント

 

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